【解説】自動運転システムの「レベル」とは?

最先端分野の一つ「自動走行システム」は、内閣府による「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の11の課題の中の一つとなっている。一口に「自動走行システム」といっても、実はさまざまな段階のものがあるのをご存知だろうか。

2016年6月23日に発表された研究開発計画に書かれている文言を見ると、「2017年までに準自動走行システム(レベル2)、2020年を目途に準自動走行システム(レベル3)、2025年を目途に完全自動走行システム(レベル4)の市場化3がそれぞれ可能となるよう、協調領域に係る研究開発を進め、必要な技術の確立を図る」とある。このレベルというのは自動走行システムの段階であるが、これがわかりにくいので整理してみたい。

上記の資料に記載されている自動走行システムのレベルの定義について確認してみよう(図表1)。これは、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の2013年の提言とほぼ同じものである。

【解説】自動運転システムの「レベル」とは? ・・・
図表1(提供:内閣府)

レベル1は単一の運転支援機能のことで、既に搭載された自動車が市販されていることも多い。例えば、「緊急自動ブレーキ(AEB、Autonomous Emergency Braking)」、車間距離を一定にして走る「アダプティブ・クールズ・コントロール(ACC、Adaptive Cruise Control)」、カメラが車線を認識して車線に沿った走行を支援する「車線維持支援機能(LKA、Lane Keeping Assist)」などだ。

レベル2は、レベル1のそれぞれの単一機能を組み合わせて複合機能にし、より自動運転に近い運転支援機能を実現したものである。現在市販されているレベル2機能搭載の自動車は3つある。「テスラ社モデルS」の2015年10月のバージョン7.0ソフトウェアのリリースされたもの。2016年7月販売の「メルセデス・ベンツEクラス」。そして、同じく8月発売の「日産セレナ」だ。テスラ社のモデルSは2016年5月に死亡事故を起こしたことが記憶に新しい。

国土交通省は7月に、「同社も含め現在実用化されている『自動運転』機能は、運転者が責任を持って安全運転を行うことを前提とした『運転支援技術』であり、運転者に代わって車が責任を持って安全運転を行う完全な自動運転ではない」と声明を出している。

レベル2の搭載車は今後近いうちに他社からも発売されると予想されるが、レベル3の技術の搭載車はまだ時期を待たないといけないようだ。自動運転技術は現在最先端の分野なので、今後の動きに着目していきたい。

(冒頭の写真はイメージ)

 
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宮永 龍樹

栃木県出身。ソフトウェア技術者。情報機器・教育機器の開発に長年従事するが、自動車エレクトロニクスの分野に転身。最先端の自動運転技術にも関わる。趣味はダンス、そして娘の寝顔を見ること。

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