【コラム】東西ドイツ統一から26年 「経済復興」の裏事情とは

3日、ドイツは歴史的な東西統一から26年目を迎えた。今年の統一記念式典は旧東ドイツ地域のドレスデンで開催され、現在、難民受け入れ政策で批判の渦中にあるメルケル首相に対し反対派が集結。東西統一の喜びに思いを馳せるべき祝祭が、不穏な空気に包まれた。

一方で、統一記念日と言えば毎年話題になるのが東西統合の進み具合だが、今回経済に関しては明るいニュースが報じられた。9月29日に連邦労働局が発表したドイツ全体の失業率は5.9%と、東西統一以来最も低い数字を記録。東西の内訳は旧東地域が7.9%、旧西地域が5.4%と格差はいまだに存在するものの、近年、東地域の失業率が大きく減少していることが伝えられている。

26年前の東西ドイツ統一では、社会主義政権による計画経済だった東ドイツを、資本主義の西ドイツが統合。経済格差是正のために導入された連帯税や州間財政調整など、旧東ドイツ復興支援政策は今も実施されている。州間財政調整とは、国内16州の財政格差を是正するという名のもとに、財政状態のよい州が財政状態の悪い州に対して格差分を補う拠出を行うという制度だ。これに対し、拠出を強いられている裕福なバイエルン州およびヘッセン州が、連邦憲法裁判所に違憲訴訟を起こす事態にまで発展している。しかし、これらの旧東ドイツ復興支援策の期限は2019年までと定められている。

ベルリンの壁が崩壊した1989年は日本では平成元年、東西ドイツ統一が達成された1990年は平成2年に当たる。26年の時を経て、東西分断時代を知らない世代が社会を担いはじめている今、ドイツはこれからどこへ向かうのか? 来年2017年9月には連邦議会選挙が実施され、メルケル首相再選の行方と、新たな大統領選出が注目されている。

(写真はイメージ)

 
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見市 知

ライター、ドイツ在住。著書に『ドイツで100年続くもの』、『ドイツ クリスマスマーケットめぐり』、『ベルリン 東ドイツをたどる旅』(いずれも産業編集センター刊)がある。

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