2016年の花粉症 シーズン前の対策(1)~発症の仕組みとタイプ

【花粉症~発症の仕組み・タイプ】
2015年春、スギ・ヒノキの花粉は大量飛散が予測されていたが、実際の飛散量はその予測を上回り、花粉症の人にとっては相当つらい年であった。2016年春はどうなるのか気になっている人も多いだろう。
 

【今年は例年並み~やや多い】
スギの花粉は雄花の中で成長する。雄花は花粉が7月の初めごろから作られるが、このころに日照りが続き、雨が少ないと、雄花のもとである花芽がたくさん出る。花芽は夏から初秋にかけて発育を続け、やがて雄花が完成する。そして、雄花の中に花粉が作られる。花粉が完成するのは10月中旬で、スギの成長の度合い、雄花の量から翌年のスギ花粉飛散予報がおおよそ決まる。この頃から少しずつ花粉が飛び始め、年を越して暖かくなり始めると、雄花は開花して花粉が一斉に飛び始める。

NPO法人花粉情報協会によると、2016年春のスギ・ヒノキの花粉は、「例年より早めに飛散開始し、飛散量は、例年並み~やや多い」と予測されている。花粉症が重症化する目安は、飛散量が3000個/cm2/シーズンとされている。各地域の予測を見ると、東北と中国・四国から九州は3000個以下だが、関東から近畿は3000個以上となっており、この地域に住む人は、しっかり対策をしておくことが必要である。
 

【免疫システム誤作動で発症】
花粉症はどのようにして発症するのだろうか?

ヒトには体の外から侵入してくる異物に対して、その物質を排除する働きがある(免疫システム)。感染症にならないためには不可欠なシステムだ。花粉は異物だが、鼻粘膜なら繊毛、目の粘膜なら涙という「掃除屋さん」が働けば体外に排除できる。そのため、本来、花粉は免疫システムの対象にはならない。しかし免疫システムが誤作動してしまうと花粉症が起こる。

異物が侵入した時、免疫システムで排除すべき存在かどうか判断するマクロファージという細胞が花粉と出会うと、抗体を産生するように指示を出す。抗体は肥満細胞に付着して蓄積されていく。肥満細胞が蓄積できる抗体の量には限界があるが、蓄積される間は花粉症の症状はない。ある年齢になって蓄積量が限界に達したところに、さらに花粉が来て、新たな抗体が付着すると、ヒスタミンとロイコトリエンという物質が肥満細胞から放出される。これがアレルギー物質であり、知覚神経を刺激すると「目や鼻のかゆみ」や「くしゃみ」「鼻水」「涙」といった症状を示す。また血管を刺激するとうっ血やむくみが生じ、「鼻づまり」「目の充血」といった症状となる。
 

【症状別に3タイプ】
花粉症のタイプは大きく分けて3つある。「くしゃみ・鼻汁型」、鼻づまりのある「鼻閉型」、二つを合わせた「混合型」である。「くしゃみ・鼻汁型」は、鼻に入ってきた花粉が粘膜を刺激すると、肥満細胞からヒスタミンという物質が放出され、これが鼻の知覚神経を刺激し、異物を出そうとくしゃみ、鼻水が出るというもの。一方「鼻閉型」では、花粉により炎症を引き起こす物質がつくられ、鼻の粘膜の毛細血管が膨張し、粘膜全体が水ぶくれのようになり、鼻づまりが起こる。「混合型」は両方の症状があるタイプ。自分が、どのタイプか知っておくと、治療を効果的に行うのに役立つ。

次回は、花粉症のセルフケアについて説明したい。

(写真はイメージ)
 
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垣渕 洋一

専門:臨床精神医学(特に依存症、気分障害)、産業精神保健。資格:医学博士 日本精神神経学会認定専門医

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