中高の英語教育「話す」「書く」が少ないなど、教員に多くの悩み

ベネッセホールディングスは3日、全国の中学校・高校の校長1152人と英語教員3935人を対象に行った英語指導に関する調査の結果を発表した。授業中に英語で話したり書いたりする活動が少ないことが分かり、英語教員は自身の英語力不足など多くの悩みを抱えていることが分かった。学習指導要領の改訂に合わせ、変革の必要性を提示する結果となった。

授業中の活動は、「音読」(中学98.1%、高校94.7%)、「教科書本文のリスニング」(同90.9%、81.9%)、「教科書本文の内容読解」(同87.1%、86.5%)など「読む」「聞く」活動は多く行なわれているが、「即興で自分のことや気持ちや考えを英語で話す」(同42.7%、29.4%)、「英語で教科書本文の要約を書く」(同14.9%、28.9%)、「ディスカッション」(同5.4%、9.1%)など「話す」「書く」活動は少なかった。

生徒が自分の考えを英語で表現する機会を作ることについて、中学では82.3%、高校では66.8%の教員がとても重要と考えているが、それを十分に実行している教員は中学で19.2%、高校で9.9%に留まった。「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能のバランスを考慮して指導することについても、とても重要と考える教員は中学69.2%、高校59.4%なのに対して、十分実行している教員は中学15.3%、高校9.8%に留まった。

また多くの教員が、「コミュニケーション能力の育成と、入試のための指導を両立させることが難しい」(中学73.7%、高校74.4%)、「自分自身の英語力が足りない」(同66.7%、62.9%)、「英語教師に求められることが多くて負担である」(同65.3%、75.2%)といった悩みを抱えていることが分かった。

同社は、「中高生の英語によるコミュニケーション能力の向上のためには、従来の文法中心の指導からの脱却が求められる」「英語教員のさまざまな悩みや不安を解消するサポートが必要」と分析している。

下村博文元文部科学相は2014年11月に中央教育審議会(中教審)に諮問した中で、英語教育について触れている。そこで提言されていることは、4技能について小学校から高校までを通じての教育目標を示すこと、小学校から教科として行うこと、中学校では授業を英語で行い、考えや気持ちを伝えあう能力を高めること、高校では発表・討論・交渉などを行う能力を高めることの4つ。これを受けて中教審は、学習指導要領の改訂内容を2016年度中に答申し、2020年に小学校、2021年に中学校、2022年に高校で実施する見通しとなっている。

(写真はイメージ)


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平井 明

1989年生まれ。東京大学教養学部卒業、東大大学院人文社会系研究科修士課程修了。2015年、NEWSALT創業時に入社。豊富な海外経験、世界の政治・文化・歴史に関する見識と、語学力を活かし、主に日本人には縁が遠いような世界の動向について、「読んで希望を持てる記事」をモットーに執筆を続ける。

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