「ソンミ村事件」49年目の慰霊祭~平和を願い、語り継ぐ証人たち

「ソンミ村事件」49年目の慰霊祭~平和を願い、語り継ぐ証人たち

ベトナムでは16日、ベトナム戦争中に起こった「ソンミ村虐殺事件」から49年目の慰霊祭が開催された。同事件は1968年3月16日、ベトナム中部クアンガイ省にあるソンミ村のミライ集落を米軍兵士が襲撃し、老人・子供・女性含め504人の民間人が犠牲になった。中部ダナン市の公安の機関紙オンライン版では同日、同村の訪問コラムが掲載された。

同事件の最高齢の生き証人、ハー・ティ・クィーさん(92歳)は語った。「もう亡くなった人たちは私にね、後の人たちに49年前のことを語り継ぐために、生きなきゃだめ、って言ってたのよ」。動揺する同紙の記者に「それはね、笑って話すためよ」と軽く付け加えた。

クィーさんはその日、姑、娘、孫とともに家にいた。突然、周りが騒がしくなったと思うと、米兵が家に押し入り、4人を外に追いやり、家を焼き、クィーさんの目の前で3人を撃ち殺した。クィーさんも銃弾を受けて負傷したが、溝に落ちたことにより助かった。夫と5人の子供は牛の世話のために山に行っていたことで襲撃を免れた。

戦争を経験せずにこの村に来た人は、ここでかつて凄惨な事件が起こったことを思い描きにくいだろう、と同紙の記者は言う。ソンミの村は今、平穏で平和だからだ。戦争後、村民たちは手を取り合い、廃墟となったこの村を立て直し、復興を成し遂げた。記念館も建てられ、年間延べ20万人(うち6万人は外国人)が訪れる場所となった。

「ソンミ村虐殺事件は、米軍がベトナム戦争中に起こした多くの事件のうちの1つでしかないのに、世界の平和を愛する人はどうして、この事件のことを語るのか、記念館でガイドに耳を傾ける人々を見ながら、わかった」と記者は語る。「ソンミに来るのは、痛みを呼び起こすためではない。この惑星ほしに再びソンミ事件を起こさないためにも、人類がもう二度といかなる戦争も起こさないよう繰り返し言い聞かせるためだ」と。

画像提供:ダナン市公安紙
ソンミ記念館を含む、ソンミ証跡地区にある像。慰霊祭はここで開催された。

 
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平井 明

1989年生まれ。東京大学教養学部卒業、東大大学院人文社会系研究科修士課程修了。2015年、NEWSALT創業時に入社。豊富な海外経験、世界の政治・文化・歴史に関する見識と、語学力を活かし、主に日本人には縁が遠いような世界の動向について、「読んで希望を持てる記事」をモットーに執筆を続ける。

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