【世界が見える! 米株ウォッチ】ロシアゲート、政治不安の高まりで下落

米株式週報
アメリカ株式市場で見る世界動向通信

5月15~19日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価(30種)は、トランプ米大統領への疑惑で政治への不透明性が高まり、大幅に下げる展開となった。ただ、週の後半は原油高や良好な決算に支えられる形で上昇した。

15日のダウは4営業日ぶりの上昇となり、前週末比85.33ドル上昇の2万981.94ドルだった。サウジアラビアとロシアが減産延長との情報が伝わり、原油価格が上昇。1バレル49ドル台を回復したことで、市場に安心感を与えた。ナスダック、S&P500指数は、ともに史上最高値を更新した。

16日は小幅に反落、2万979.75ドルだった。トランプ大統領の機密情報漏洩疑惑で政治に対する不透明感が増したことが嫌気された。疑惑の内容は、トランプ大統領が過激派組織イスラム国に関する機密情報をロシアのラブロフ外相との会談の際に語ったというもの。ただこの疑惑は、株式市場で大きく下げる材料とはならなかった。半導体関連が強く、ハイテク関連銘柄の割合が高いナスダックは最高値を更新した。

17日のダウは大幅続落、前日比372.82ドル安い2万606.93ドルで、これは8カ月ぶりの大幅下落だった。恐怖指数と呼ばれる、投資家の心理を表す「VIX指数」は急上昇した。この数値が高いほど、投資家は先行き不透明感を持っているとされる。トランプ大統領が、前週突如解任したコミーFBI長官に対し、ロシアによる大統領選介入の疑惑が浮上したフリン前大統領補佐官への捜査を止めるよう要求していたことが表面化。司法への妨害ではないかと批判が一気に高まり、大統領弾劾まで騒がれる事態となった。なお、今回の疑惑の件は、ニクソン大統領が辞任に追い込まれた「ウォーターゲート」をもじって「ロシアゲート」と呼ばれている。このロシアゲートによって懸念されるのは税制改革の遅れだ。トランプ政権のもとで実施される予定の税制改革への市場の期待は高い。高値更新が続いていたナスダックは150ドル以上下落。対円の為替は円高が急激に進んだ。

18日は反発、2万663.02ドルだった。FBI前長官の議会証言が決まり、不透明感が緩和された。小売り大手のウォルマートの決算が良好だったことが好感された。

19日のダウは続伸、2万804.84ドルで取り引きを終えた。原油価格の上昇でエネルギー関連が買われた。半導体製造装置の世界最大手のアプライドマテリアルズの決算が良好で好感されたほか、ウォルマートも引き続き高い。この日トランプ大統領が外遊に出発し、一時的に政治リスクが和らぐとの思惑も支えとなった。

(写真はイメージ)

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