ヌテラの味が違うのは差別? EU域内で食品の品質格差が問題に

ヌテラの味が違うのは差別? EU域内で食品の品質格差が問題に

欧州各国どこのスーパーマーケットにも同じようにある大手メーカーの食品。パンに塗るスプレッドのヌテラやペプシコーラ、冷凍食品の魚のフライなどの品質に、実は国ごとの「格差」が存在することが実証されて問題となっている。5日付の南ドイツ新聞オンライン版が報じた。

事の発端は、ハンガリーの食品安全局(NEBIH)が実施した、食品24品目に対する商品テストだった。ハンガリーとオーストリアのスーパーマーケットで買える同じ商品を比較したところ、ハンガリーで買った場合、マンナー社(オーストリア)のウェハース菓子はカリッとした歯ごたえが少なく、ヌテラ(フェレーロ社、イタリア)もオーストリアのものに比べて「クリーミーではなかった」などの結果が出た。

さらにチェコのプラハ大学が2015年に実施した調査では、ドイツのペプシには本物の砂糖が使われているのに対してチェコのペプシには安いシロップが使われており、ドイツの大手冷凍食品メーカー、イグロ社の白身魚のフライでは、ドイツのものに比べてチェコのものは7%魚成分が少なかったことが明らかになっている。

ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキアの中欧4カ国で形成している地域協力機構ヴィシェグラード・グループ(V4)はこれを問題視し、急きょV4農相会議を招集。ポーランド紙は「食品におけるレイシズム(人種主義)」と非難し、チェコのユレチュカ農業相は「我々は欧州のゴミ箱ではない」、スロバキアのフィツォ首相は「EU市民の間に一流と二流が存在してはならない」と述べている。

チェコのソボトカ首相は「EU域内で同じメーカーの同じ商品を、同じパッケージで販売する場合は、同様のクオリティーであることが保証されるべき」としているが、批判を受けた多くのメーカーは、中東欧諸国の購買力の低さを引き合いに出し、「値段を引き下げる場合はクオリティーもそれに見合ったものになる」と指摘。一方、フェレーロ社は、「フランスで販売するヌテラは、白パンに塗りやすいように他国と比べて柔らかくしてある。国ごとに品質が違うのは各国の嗜好に対応しているから」とコメント。ウィーンに本社のあるマンナー社は、「この批判は当社には該当しない。マンナー社のウェハース菓子にはたった一つのレシピしか存在しないからだ」と述べている。

ヌテラの味が違うのは差別? EU域内で食品の品質格差が問題に

 
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塩野 輝美

翻訳者、ライター。ドイツ在住。ドイツの生活と文化、歴史と社会制度のつながりをウォッチしています。

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