家賃無料! 老人ホームで暮らす学生たち オランダ

家賃無料! 老人ホームで暮らす学生たち オランダ

家具付きの個室にバスルーム、キッチン付きで家賃無料、同居人は70~104歳の高齢者160人――。ドイツ国境に近いオランダ・デーベンター市の特養老人ホームが数年前から始めたユニークなプロジェクトが話題を集めている。5月30日に独仏共同出資テレビ局アルテの情報番組が報じた。

デーベンダー市にある特養老人ホーム「フマニタス」では、6人の学生に家賃無料で部屋を提供している。入居する学生は1カ月に30時間、同ホームに住んでいる高齢者とともに時間を過ごすことが交換条件だ。オランダの学生向けの住宅事情は劣悪で、1カ月の家賃は300~600ユーロ(約3万6900~7万3800円)と、欧州内で英国に次いで高額とされている。さらに生活費も隣国のドイツなどと比べてはるかに高いため、学生の36%は両親の家に同居しているというのが実情。

また、多くの西ヨーロッパ諸国の悩みである社会の高齢化も深刻だ。こういった事情を背景に始まった「学生同居プロジェクト」は、社会の中で接点の少ない高齢者と若者の間に橋を架け、双方にとってメリットをもたらすものとなっている。同プロジェクトの学生第1号として入居し、4年間同ホームに住んでいるユリアンさんは、「プロジェクトは最初から順調だったわけではありません。最初は高齢者と学生双方にお互いへの偏見がありました。僕自身もここになじみ、一人一人と知り合うようになるまで1年くらい時間がかかりましたが、少しずつ乗り越えて行きました」と語る。

ホーム内のアンケートでは、同プロジェクトが始まってから「住み心地がよくなった」と回答している入居者が多数に上る。学生は家賃無料で部屋を借りることができ、高齢者は学生からコンピュータやタブレットの使い方を教わることができる。また、病気や要介護状態にある高齢者が、若者とのふれあいを通して再び生きる活力を得る機会になっていると同番組では報じている。

※1ユーロ=123.0円で換算。(13日時点)

家賃無料! 老人ホームで暮らす学生たち オランダ
写真提供:Woon- en Zorgcentrum Humanitas Deventer 

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塩野 輝美

翻訳者、ライター。ドイツ在住。ドイツの生活と文化、歴史と社会制度のつながりをウォッチしています。

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