ご当地自慢を探せ!(3)南ドイツの庶民の味、ケーゼシュペッツレ

「粉もの」は、庶民料理の原点のような気がする。素朴でシンプル、そしてどことなく郷愁を誘う、思い出したらまた食べたくなるもの……。バイエルン州やバーデン=ヴュルテンベルク州のある南ドイツの「粉もの」代表はケーゼシュペッツレ(Käsespätzle)だ。ケーゼはチーズ、シュペッツレは卵と小麦粉と水を練って生地にした麺のこと。単純極まりない料理なのだけれど、自家製シュペッツレと上質のエメンターラーチーズがあれば、満足度の高い一品になる。

シュペッツレは、生地をナイフで削り取りながら、沸騰したお湯に入れてゆで上げるのが伝統的な作り方。このため麺のサイズは短く、均一でないところがまたご愛敬だ。これにすりおろしたチーズとローストオニオンをふりかけてオーブンに入れ、全体が色づくまで5分ほど焼く。

もともとは、貧しい農民の食事だったと言われるシュペッツレは、日本でたとえていうなら、お米がないときに小麦粉を練って作った“すいとん”のようなものだったのかもしれない。そんな遠い時代に思いをはせながら、南ドイツの伝統料理のお店ではぜひ、ケーゼシュペッツレを味わってみてほしい。

 
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見市 知

ライター、ドイツ在住。著書に『ドイツで100年続くもの』、『ドイツ クリスマスマーケットめぐり』、『ベルリン 東ドイツをたどる旅』(いずれも産業編集センター刊)がある。

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