コップ1杯の水からオランウータンなど絶滅危惧種のDNAを検出

コップ1杯の水からオランウータンなど絶滅危惧種のDNAを検出

東京農業大学などの共同研究グループは12日、ボルネオ島熱帯雨林で野生生物のミネラル摂取源となる「塩場」の水から、オランウータンをはじめとする絶滅危惧種の「環境DNA」の検出に成功したと発表した。

環境DNAは、川や海などの水に含まれる生物の体表や粘液、糞に由来するDNA断片を解析することで、そこに生息する生物種を把握できる技術。サンプルとなる水に含まれる塩基配列を次世代シーケンサ―と呼ばれるDNA解析機器で調べれば、生息する生物を短時間で特定できる。これまで、魚類など水生生物で解析技術が確立されてきたが、今回東農大農学部の松林尚志教授、千葉県立中央博物館の宮正樹生態・環境研究部長らの研究グループは陸生哺乳類調査に応用した。

オランウータンの調査では従来、ミネラルを多く含む湧水や土壌などの「塩場」を利用するかどうか把握する際、自動撮影カメラで長期間の調査が必要だった。研究グループは、環境DNAを調べることで塩場を利用する生物を効率よく把握できると考え、4カ所の塩場から採取したコップ1杯程度の水のDNAを分析。その結果、オランウータンや野生ウシのバンテン、センザンコウを含む6種の絶滅危惧種の検出に成功した。

研究グループは今後の展望として「長期調査の難しい地域においても野生動物の生息状況を把握する強力なツールになることが期待される」とし、すでにインドネシアやマレーシアの大学と協力して環境DNAプロジェクトを進めているという。

(写真はイメージ)

 
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宮永 龍樹

栃木県出身。ソフトウェア技術者。情報機器・教育機器の開発に長年従事するが、自動車エレクトロニクスの分野に転身。最先端の自動運転技術にも関わる。趣味はダンス、そして娘の寝顔を見ること。

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