バイオマス資源や二酸化炭素からアルコールに

  • 2015/9/14
  • バイオマス資源や二酸化炭素からアルコールに はコメントを受け付けていません。
バイオマス資源や二酸化炭素からアルコールに

天然に豊富にあるカルボン酸を、効率よくアルコールに変換する触媒が開発された。科学技術振興機構(JST)先導的物質変換領域(ACT-C)の研究で、名古屋大学の斎藤進教授らの成果。8月28日に科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』のオンライン版で公開された。

ステアリン酸やラウリン酸、オレイン酸やリノール酸などの脂肪酸や、ブドウに含まれる酒石酸や柑橘類に含まれるクエン酸などもカルボン酸である。このようにカルボン酸は身近な存在だが、非常に安定した構造であるため、アルコールに変換するには高温・高圧という大きなエネルギーが必要だった。しかも変換できるカルボン酸の種類が限られ、望ましくない反応が同時に起こってアルコール以外もできてしまう問題があった。

斎藤教授らは、安定な水素分子とカルボン酸の両方を反応しやすい状態にする触媒構造の原型を発見。新しい触媒は温和な条件で反応が進み、変換できるカルボン酸の種類が大幅に増え、望ましくない反応も起こりにくい。さらに、カルボン酸と類似した構造を持つエステルやアミドが一緒に含まれていても、カルボン酸だけを変換することもわかった。

食品廃棄物や稲わらなど、生物由来のバイオマス資源に含まれるカルボン酸からアルコールを作れば、炭素循環社会に寄与できる。二酸化炭素からカルボン酸を合成してアルコールを作れば、二酸化炭素の資源化にも貢献できると期待される。

画像提供:科学技術振興機構(JST)


天本 レオ

投稿者プロフィール

航空宇宙工学科卒業。サイエンスライターとして、宇宙をはじめとした科学全般の話題から、読者の「!」な記事を提供していきたいと思っています。

この著者の最新の記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. アウディが世界初、自動運転車2017年に市販化
    最先端分野の一つ「自動走行システム」は、内閣府による「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」…
  2. ベトナム・ハノイ 小学校での日本語教育の試験導入に向けて
    ベトナムの5つの小学校で、3年生への第一外国語として日本語教育が15日に始まった。在ベトナム日本国大…
  3. ドイツ鉄道が新型ICE4を公開 「安定感」「快適さ」をアピール
    ドイツ鉄道は高速特急ICEの次世代モデル、ICE4を公開した。旧型のICE3に比べて最高時速が落ちる…

Follow me!

FacebookいいねやTwitterフォローで、更新情報を受け取れます!

 


ページ上部へ戻る