世界禁煙デー 日本「たばこ社会」と「オリンピック」の狭間で

世界禁煙デー 日本「たばこ社会」と「オリンピック」の狭間で

5月31日から始まる「世界禁煙デー」。日本では、毎年この日から始まる一週間を「禁煙週間」としている。嗜好品であり、文化ともされて生活に根付いている「たばこ」に対し、今、日本としてどのように向き合うべきかが問われている。その分岐点となるのが、来る2020年の東京オリンピック・パラリンピックだ。

オリンピック開催に向けた「たばこのない社会」の実現

まず、東京オリンピックとたばこのかかわり方という点で、話の始まりは東京都が候補地に名乗りを上げた頃としよう。2010年に国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機構(WHO)が、「健康的なライフスタイルとたばこのないオリンピックを目指す合意文書」に調印。これを受けて、各開催候補都市は条例や整備法を進めることとなり、2014年には世界49カ国で公共の場での屋内全面禁煙の法制化が実施された。

2013年9月7日のIOC総会で日本でのオリンピック開催が決定。日本はオリンピック・パラリンピックの次期開催国として「健康的なスポーツと、健康に有害なたばこは相いれない(2010年IOC/WHO合意文書)」という世界的な方針に、向き合うこととなった。2015年には「2020 年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針」を策定し、11月27日に閣議決定された。その中で、国を挙げて受動喫煙防止対策を強化していくことが明文化された。

日本のたばこ事情

日本における喫煙者の割合は、日本たばこ産業(JT)の「2016年全国たばこ喫煙者率調査」によると成人男性だと29.7%で、成人女性は9.7%。男女ともに例年減少傾向があるものの、諸外国と比べると喫煙率は高く、現在約1500万人が喫煙を習慣にしている。一方、2016年8月に国立がんセンターは、喫煙習慣がないとしても、受動喫煙した人はしていない人に比べて肺がんの発症リスクが1.3倍高いと発表。加えて、年間で1万5000人が受動喫煙による発がんで死亡しているという推計も出ている。

今年度の禁煙週間のテーマは、「2020年、受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子どもたちをまもろう~」と定められた。WHOに「世界最低水準」とまで言われる現状の日本。ここから、日本が2020年に向けてどのような変化を求められているのか。オリンピック開催を3年後に控えた今年の禁煙週間は、たばこを好む人、好まない人ともに、現在の選択と行動を、改めて考える機会になったらと思う。

(写真はイメージ)

 
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塚越 沙良

横浜市立大学卒業。社会学専攻。キャリアコンサルタントとして求職者の転職支援を行いながら、主に教育・社会・日本の若者についての記事を執筆。

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