宇宙ステーション補給機「こうのとり」改良計画 2020年までに技術実証機で宇宙ステーションに物資を補給

 文部科学省は5月20日、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)を改良する計画を宇宙開発利用部会「国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会」(第15回)で示した。推進系モジュールと電気系モジュールを集約して一体化し、姿勢制御用スラスタや太陽電池パネルも集約した技術実証機で2020年までに国際宇宙ステーション(ISS)に物資を補給する。現行と同じ6トンの輸送能力を保ったまま、構造設計の見直しや部品点数の削減などで機体の軽量化を図り、安価な民生部品の利用を進めるなどして、運用機の製造コストは現行の約200億円から半減をめざす。将来は深宇宙輸送機や月着陸機輸送船などの宇宙探査や、軌道上で宇宙ごみ(スペースデブリ)の除去や燃料補給、物資回収などのサービス提供など、多目的に使えるようにする。

 高度400kmの軌道上にあるISSには2009年から、6名の宇宙飛行士が長期滞在している。そのため、宇宙飛行士の食糧や衣類、各種実験装置などを補給する輸送業務が欠かせない。米国のスペースシャトルが退役した2010年時点で、ロシアのプログレス補給船、欧州の欧州補給機(ATV)と日本のHTVがISSへの輸送を受け持っていた。

 その後、民間企業による商業軌道輸送サービスとして、2012年5月にスペースX社のドラゴン宇宙船、2013年9月にはオービタル・サイエンシズ社のシグナス宇宙船がISSに補給作業を実施した。しかし、2014年10月、シグナス宇宙船の打ち上げに用いたアンタレスロケットが爆発。今年4月にはロシアのプログレス補給船が制御不能となって補給に失敗し、5月27日にソユーズ宇宙船で油井亀美也宇宙飛行士がISSへ向かうはずだった計画も延期された。

画像提供:文部科学省


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天本 レオ

航空宇宙工学科卒業。サイエンスライターとして、宇宙をはじめとした科学全般の話題から、読者の「!」な記事を提供していきたいと思っています。

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