衛星脅かす宇宙ごみ問題 第7回欧州宇宙ごみ会議で議論

宇宙ごみ

4月18~21日の会期で、ドイツのダルムシュタットにある欧州宇宙機関(ESA)宇宙運用センターにおいて、第7回欧州スペースデブリ(宇宙ごみ)会議が開催されている。1957年のスプートニク1号の打ち上げ以来、人類は多くの人工物を衛星軌道上に送り込んできた。その結果、現時点で1cmを超える物体がおよそ75万個も地球の周りを周回しているという。それらは平均時速4万kmで飛び回っており、宇宙に置かれた機器にぶつかれば手榴弾が爆発した程度の衝撃があるとされる。運用中の衛星にぶつかった場合、重大な影響を及ぼす可能性がある。

こうした宇宙ごみのうち、約1万8000個は強力な監視システムで通常監視できる程度に大きく、衝突を避けるためにESAなどの宇宙機関では監視データが利用されている。宇宙ごみの大部分は軌道上で発生した過去250回以上の爆発によって生じたもの。残存燃料タンクやバッテリーなどが爆発したケースが多いが、宇宙ごみとの衝突が原因と思われるものも一部含まれる。

宇宙ごみの数が増えるにつれて、相互の衝突も増えていく。すでにいくつかの衝突が起こり、それによって更に新たな宇宙ごみが生じている。専門家はこの問題を緩和する対策を提案しているが、その対策を実行するには、今後宇宙に衛星などを打ち上げる計画がある組織は大きな課題に直面することになる。

今回の会議は、宇宙ごみをテーマとした世界最大の集まり。18日の全体会議では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の河本聡美さんによる宇宙ごみを軌道から除去するための研究開発の現状などが発表された。19日と20日は技術セッションやワークショップが開かれた。21日には欧州宇宙運用センター(ESOC)のプレスセンターで、主な議論のポイントと4日間にわたる会議の全体的な結論が報道陣に提示される予定だ。

画像提供:ESA

 
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天本 レオ

航空宇宙工学科卒業。サイエンスライターとして、宇宙をはじめとした科学全般の話題から、読者の「!」な記事を提供していきたいと思っています。

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