ご当地自慢を探せ!(14)ニシンのサンドイッチ(ドイツ/オランダ)

【ご当地自慢】ニシンのサンドイッチ

ドイツでニシンのサンドイッチに出合ったのは、デュッセルドルフの青空市場でのことだった。オランダ国境に近いこの町の市場には、北海の魚を仕入れてオランダからやってくる魚屋さんの屋台があった。

寡黙で感じのいい魚屋のおばちゃんが、手際よくニシンのサンドイッチを包んで手渡してくれるとき、一つだけドイツ人の売り子とは違う特徴があった。それは料金を払うまでは、絶対にサンドイッチを手渡してはくれないということだった。その絶妙なタイミングの違いに、「さすが、ダッチカウント(割り勘)の国」と感心したのを覚えている。

さて、パンに挟まっているニシンはドイツ語で「マッチェス」、オランダ語では「ハーリング」といい、若いニシンを塩漬けにしたもの。旬は5~6月にかけてと言われるが、1年を通して市場や魚屋では見かける。もちろん旬の時期のマッチェスが、一番脂がのっていておいしい。これに生タマネギやピクルスを合わせ、パンに挟んだものがだいたい2.50ユーロくらい(約300円)。このパンが、ドイツではブレートヒェン、またはゼンメルと呼ばれる、ぎゅっとした質感のある小型の白パンなのだが、オランダに行くとこれがふにゃっとしたコッペパンになる。しかしそこはやはり本場、初夏にオランダの北海の海辺で食べたマッチェスは、とろけるような脂ののり具合と抜群の鮮度でおいしかった。

味わいとしては、日本のシメサバに近い感じがあるマッチェス。パンに挟んでいない切り身だけを買い、しょうゆを垂らしてごはんのおかずにしてもおいしい。

※1ユーロ=119円で換算(31日時点)

 
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見市 知

ライター、ドイツ在住。著書に『ドイツで100年続くもの』、『ドイツ クリスマスマーケットめぐり』、『ベルリン 東ドイツをたどる旅』(いずれも産業編集センター刊)がある。

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