パラリンピック競技を体験 GWにイベント開催 東京都

大型連休を楽しむ多くの人々でにぎわう東京・上野恩賜公園では6日から今日まで、パラリンピック競技を体験できるイベント「NO LIMITS SPECIAL 2017 上野」が開かれている。東京オリンピック・パラリンピック開催を3年後に控え、東京都がパラ競技への理解を促すために開いている体験プログラム「NO LIMITS CHALLENGE」の一環だ。今後も年間を通じて都内各地で開催される予定だが、この2日間は国内最大規模となる。

車いすで未来の東京を疾走

「最後まであきらめるな! お前ならできる!」「ナイスファイト!」
会場内の4畳ほどの広さの一角から、競技場のような熱い声援が聞こえる。陸上競技用車いすの体験ブースだ。実際の競技用車いすを使い、その場で画面を見ながらレースを疑似体験できる。ひとレース終えた人は疲れた腕をほぐしながら汗をぬぐう。最後までホイールを回し続けるだけでも相当の運動量のようだ。

別のエリアでは、仮想現実(VR)を使った車いすレース体験ができるブース「CYBER WHEEL」に行列ができていた。2100年の東京を車いすで走りぬける設定で映像が作られており、大人も子どもも3D映像の空間で好タイムを狙ったり、360度に広がる未来都市の風景をのぞき込んだりとさまざまな楽しみ方をしていた。

「ボッチャ」という競技の体験ブースも注目を集めた。ルールはカーリングに似ており、ソフトボールほどの大きさの赤・青の柔らかいボールを使い、6つのレーンに各チームメンバーが交互に並んで順にボールを投げていくというもの。「ジャックボール」と呼ばれる白いボールをコート中央に向かって投げるところからゲームが始まり、最終的にこの白いボールの一番近くにボールを付けたチームの勝ちとなる。相手のボールをはじいたり、白いボールの位置を変えたりするなど戦略も多様で「頭脳ゲーム」ともいわれる。老若男女、障害の有無も問わず誰でも楽しめるスポーツとしても最近注目されており、小学校体育などで取り入れるケースも増えている種目だ。

パラリンピック競技を体験 東京都がイベント開催

パラスポーツの魅力伝える

同イベントの総合司会を務めるスポーツキャスターの松岡修造さんが各ブースを駆け回り、参加者と共に自ら体験。「もっと本気出せよ!」と熱い掛け声で周囲の関心と笑いを集め、各競技の魅力を伝えた。

会場中央ではテコンドーのデモンストレーションが披露された。片腕を失った選手が見事な身のこなしでキックを決める。一方、競技体験の時間には運動不足で体が凝り固まった社会人たちが柔軟体操で悲鳴を上げる姿も。みな笑顔でパラスポーツ体験を楽しんだ。

この他にも車いすテニス、ウェイトリフティングなどのパラリンピック競技体験が終日行われた。会場には車いすの人や何かしらの障害を持った人も少なくなかったが、みな自由自在に行き来して楽しんでいる様子だ。

パラスポーツの魅力伝える

メインステージでは、昨年リオデジャネイロパラリンピック閉幕式の東京大会への引き継ぎセレモニーでダンスを披露した義足のバレエダンサー大前光市さんらも登場。同セレモニーでテーマ曲となった「東京は夜の7時」が和楽器で演奏され、メロディに合わせてパフォーマンスした。

パラリンピックにとっての2020年

パラリンピックという名前が使われ始めたのは1964年東京大会が最初だという。その東京で再びパラリンピックが開かれる2020年に向けて、現在、体験イベントや学校教育などさまざまな形でパラ競技への理解が進められている。
今回、イベントに参加し、実際にパラ競技を体験して記者が感じたのは、凝り固まった思考となまった体こそが自分を不自由にしているのであって、パラ選手たちはむしろ自分の持ち味を生かしてもっと自由に生きているということだった。同体験プログラムの名称にある「NO LIMITS」という言葉には、「失われたものを数えるな、残された機能を最大限に活かせ」というパラリンピックの理念が込められているというが、それはすべての人に向けられた言葉ではないだろうか。2020年に向けて、国内では働き方改革などもにわかに進められている。さまざまな「多様性」が尊重されはじめているこの機運に乗り、皆がこの理念のように自分の持ち味を活かして自由に生きられる社会にしていきたいものだ。

東京都主催パラリンピック体験プログラム「NO LIMITS CHALLENGE」
http://no-limits.tokyo/

今後の開催予定

日付 場所(競技)
5/13 都立光が丘公園(卓球)
5/14 小平市立中央公園グラウンド(射撃)
5/21 都立猿江恩賜公園
5/28 しながわ中央公園
6/3 府中公園
8/3 福生駅西口周辺
9/17 目黒区民センター
9/30 上柚木公園陸上競技場
10/7、8 墨田区立錦糸公園
10/9 台東リバーサイドスポーツセンター
10/9 みなとパーク芝浦一帯
10/9 昭和公園(陸上競技場)・総合スポーツセンター
10/14 都立小金井公園
10/15 都立戸山公園・新宿スポーツセンター
10月下旬 稲城市主催イベント
10~11月頃 文京区
11/4 羽村市富士見公園
11/4 桃井原っぱ公園
11月上旬 平和島公園
11月上旬 国分寺市
11月上旬 あきる野市
11/19 渋谷ヒカリエ9階 ヒカリエホール
12/2 町田市立陸上競技場
3/18 板橋区荒川河川敷内特設会場
未定 荒川河川敷「虹の広場」
未定 多摩動物公園
未定 世田谷区
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伊汐 美帆子

生命理工学研究科修士課程修了。 4年ほど新聞社に勤務。現在、ライターとして働きつつ、NEWSALT編集を務める。記事もときどき書きます。趣味は、NEWSALTの記事を読むことと、外食等で感動した料理を自宅で再現実験すること。

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