多摩動物公園は11日、ニホンコウノトリのヒナ1羽が3月にふ化したと発表。これにより同園は今年で30年連続の繁殖成功となった。ふ化したヒナは順調に生育しており、子育ての様子はコウノトリ舎の大ゲージで観覧通路から見ることができる。
同園では遺伝的多様性管理を目的にニホンコウノトリの繁殖を行っている。1988年に日本で最初の飼育下での繁殖に成功して以来順調に繁殖が続いてきた。同園の活動は飼育下でのニホンコウノトリの個体数維持に貢献している。同園での飼育状況は11日現在で、オス29羽、メス25羽と、今回ふ化した1羽(性別不明)の合計55羽。なお、国内全体では18施設、197羽(オス102羽、メス95羽)が2017年2月1日時点で飼育されており、同園は国内の約4分の1を占めている。
ニホンコウノトリはコウノトリ目コウノトリ科。国際自然保護連合(IUCN)レッドリストでは絶滅危惧1B類で国の特別天然記念物。明治以前には日本でも一般的に見られた鳥だったが、乱獲や農薬等、環境の変化により野生のものは日本から姿を消した。